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ゼンマイ式振り子時計分解掃除 [お仕事]

3月21日ゼンマイ式振り子時計の分解掃除を、二日がかりで行いました。右手の指を痛めているのですが、少し良くなってきたので、頑張りました。愛知時計の30日巻き(ゼンマイを一杯巻くと30日動く)です。

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機械を取り出して、傷み具合を調べます。

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幸い、ゼンマイは錆びていません。素人さんが修理をするときは、必ずゼンマイのサビを確認して、錆びていたら修理をあきらめてください。非常に危険です。1週間巻きのゼンマイはパワーが弱いのですが、1か月巻きは、強力なゼンマイです。

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文字盤周りの、時打ち関係の部品を外します。外しながら細かく写真を写しておくと、組み立てる時の参考になります。以前はイラストを描いていましたが、私はデジカメで歯車などのかみ合わせを写真で撮っています。

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ゼンマイを巻き取るため、部品を外します。

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ゼンマイを針金で縛って、こはぜ(逆転防止バネ)巻き戻します。ゆっくりと巻き戻します。

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バラバラにばらして、ベンジンで刷毛洗いを行います。ほぞ穴が2か所、楕円に削られていたので、カシメて丸に戻します。割りばしや爪楊枝で、ほぞ穴をごしごしと、固まった油汚れを落として、乾燥します。

ベンジンは、換気や引火に注意が必要で、私は店頭に作業テーブルを出して、外で作業をしています。

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元通りに、油をさしながら組み立てて、時計のケースに固定します。この時計は、30年~40年ぐらい前の、ゼンマイ式にしては、新しい機械なので、+ネジを使っていました。この当時のゼンマイ式の機械は、各メーカーとも、ゼンマイ式時計は完成域に達していて、材質が良いので、ほぞ穴の傷み具合も少ないようです。

この状態で、振り子を付けて、時報の音の調整、振り子の片ブリ調整、分針を仮止めして、30分と正時と時報の数取りの調整をします。

最後に、文字盤の裏に修理日時を記入して、組み立て終了。後は歩度調整を行って、時刻が正確に合わせられたら修理完了です。

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この画像が、最初の画像と同じだと気が付いたあなたは、細かい事によく気が付くので時計の修理に向いています。

時計の分解修理は、分解する前に、歯車のかみ合わせ具合、仕組み、時報のタイミングと爪の位置、ほぞ穴の傷み具合を調べておかないと、直りません。

油は、セイコーゼンマイ用・グローブ時計油・セイコークロック油・ベルハンマーグリス・ベルハンマーオイルなどを使い分けます。

保証期間は6か月ですが、10年は動くように修理しています。







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