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今の補聴器のお話。すごく進歩しています。2024/2/16 [お仕事]

補聴器のお話をする前に、まず聞こえのお話をしましょう。


①耳たぶで音を集めて、②鼓膜が振動し、③3つの骨で振動を大きくして、④-1蝸牛の中のリンパ液が揺れて、④-2有毛細胞が電気を起こし、⑤聴神経が電気信号を脳に伝え、⑥脳で初めて言葉として聞こえます。

①から③までの不具合が、伝音難聴。(昔の補聴器や集音器で改善)

④から⑥までの不具合が、感音難聴。(最新の補聴器でかなり改善)

①から⑥までの不具合が、混合性難聴。(最新の補聴器で少し改善)

高齢者の難聴は、ほとんどか混合性難聴です。

耳の構造.jpg

補聴器の原理、マイクで音を拾い、アンプで大きくして調整し、スピーカーから音を大きくして出す。

◎伝音難聴には、補聴器で音を大きくし、会話以外の音を抑え、大きすぎる音を出さないようにする。

◎感音難聴では、蝸牛の中の有毛細胞が高音を電気信号に変えられないので、高音部分を圧縮して、中音部分で聞こえるようにする。また指向性マイクで、前方の音だけを大きくして聞きやすくする。

◎混合性難聴では、音を大きくして、会話以外の音は抑え、会話は強調して、高音を圧縮し、指向性をきかせ、両耳に装用して、聞き間違いを補わせる。

◎基本的に補聴器は両耳に装用するとよく聞こえる理由。

①音の方向が分かりやすい。

②やかましいところで、聞き取りが良くなる。

③疲れにくいのでよく聞こえる。

④片耳より音が大きく聞こえる。


補聴器の種類

①箱型補聴器

箱型.jpg

最初に作られた補聴器で、当初は弁当箱ぐらい大きかった。現在はポケットに入るサイズになっている。

長所、操作が簡単。大きい音が出る。電池が長持ち。価格が安いものがある。3万円から10万円

短所、大きくかさばる。コードが邪魔になる。周波数圧縮機能や指向性などの機能がない。

対象者、あまり動かない人で、会話が必要な時だけ使用したい人。


②耳掛型補聴器

耳掛け.jpg

次に作られた補聴器で、耳たぶに補聴器を引っ掛け、耳栓を耳穴に差し込み、音を耳に入れる。

長所、大きい電池が使えるので、大きい音が必要なことに向いている。

   耳たぶに隠れるほど小型のものでは、補聴器がほとんど見えない。

   防水や、最新の機能や、充電式もある。

欠点、耳にかけるので、マスクのゴムと干渉したり、ヘルメットのあごヒモで外れそうになる。


耳穴型補聴器

耳穴.jpg

長所、耳の穴に入れるので、耳たぶの集音効果が生かせ、耳穴にマイクがあるので、違和感が少ない。

  充電式の物も出ている。

  超小型では、耳の奥に入れるので、全く見えない。

  マスクやヘルメットにも違和感なく使用できる。

短所、超小型では、電池が3~5日でなくなる。

   耳の形に合わないと、外れたり、痛くなることがある。

   耳ダレがある人は、マイクが詰まって音が出なくなることがある。


ハウリング除去

昔の補聴器や集音器で、「キーン」や「ピーピー」と耳障りな音が出る場合がありますが、これがハウリングです。

カラオケで、マイクをスピーカーの近くに持っていくと「キーン」という音がしますが、補聴器でも同じことが起こります。

補聴器はマイクとスピーカーが近いので、調整をしないとハウリングが起きます。

10年以上前には、ハウリングが嫌で補聴器をつけないという人が多くいました。

現在の補聴器ではほとんどハウリングが起きません。

「逆位相」と「周波数シフト」でハウリングを防止します。

2.png

3.png


20年以上の前は、ハウリングを消すために苦労したものですが、今は夢のようです。

2024/2/23

続く


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