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日本の時計メーカーの残念なところ [徒然]


サスティナビリティの意味は、「持続可能」という意味ですが、日本の時計メーカーの残念なところは、まったく持続性が無いことです。
日本製のお気に入りの時計を修理に出したら、メーカーは「部品が無いので修理できません」と言ってきます。
私は時計店をしているので、何度もお客様に部品が無いので修理できませんと、頭を下げて謝ったことがあり、先週も謝りました。会社の考えに「サスティナビリティ」「持続性」を持っていないのです。
10年使った時計は、修理をせずに次の時計を売りつけようと考えています。
次々と改良を重ねて、良い時計を作ることは良いことですが、その時に設計に一定の規格を作っておけば、古い時計が壊れたら、新しい機械を取り付けることが出来るのです。新しい時計の機械は薄くて小型になっていますから、スペース的には問題なく、古い時計のケースの中に納められます。わざと使えないような設計にしているのです。
スイスの時計メーカーの機械式時計が、よく売れているので、クォーツ時計という、正確な時計があるにもかかわらず、スイスの真似をして、機械時計を作っています。
馬鹿なことを考えているものです。スイスの良いメーカーは、部品がなくなっていたら、一個でも部品を作って修理してくれるのです。確かに修理代は高いです。スイスの本社に送り、部品をわざわざ一個作って修理をすれば高くつきますが、お客様はおじいさんが愛用していた時計を使いたいのです。そのように「持続性」があるので、スイスの良いメーカーの時計を購入するのです。
セイコーの「グランドセイコー」の新製品が出たそうですが、何年、何十年修理をしてくれるのでしょう?
おそらく、製造から7年もたてば、部品が無いから修理できないと言ってきます。使い捨て時計製造メーカーなのです。
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過去何十年も、お客様を失望させてきたので、お金にゆとりが出来た方は、何十万円いや、何百万円・何千万円もする時計を、それもスイス製の時計を購入するのです。スイスには、1億円以上する時計すらあります。
両親に買ってもらった、最初の時計を修理出来ないとメーカーから断られたときの、残念な気持ちを日本の時計メーカーは分かっていないのです。
ですから今更、クオーツや電波時計より精度の劣る、使い捨ての機械時計が売れるはずがありません。もし買ったお客様があれば、何十年か後に、失望して、日本の時計のファンでなくなります。
確かに日本の時計メーカーの新しい機械時計は素晴らしいです。新しい構造が取り入れられています。
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この機械が、古い時計に交換できるような設計になっていれば、使い捨て時計メーカーの汚名をそそげますが、果たしてどうなんでしょう?
私は、日本の機械式時計に興味はありません。ポリシーとして、日本の使い捨て時計メーカーの時計で、30万円以上のものを売る気はありません。
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でも、商売ですから、「買うのはやめといたら」と言いながら、売ってしまうかも…。(笑)
当然、現場の技術者には分かっているのでしょうが、トップの考えに「サスティナビリティ」が、無いからですね。


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常盤万作

おはようございます。
時計は大好きです。40年以上使用した国産腕時計が故障です。
もうあきらめています。残りの時計で人生は終われそうです。
by 常盤万作 (2021-08-26 09:23) 

因島のトラ

40年前だと、水晶時計ですかね?
電子回路が痛んでいたら、ちょっと治りませんね。
小型の別の機械を入れ替える修理はできますが、味わいが違いますよね。
私は50年前のキングセイコーのバナックを大事にしています。

by 因島のトラ (2021-08-27 15:37) 

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